近視は成長するにつれて進行していきます。背が伸びると同様に眼球が伸びていくからです。成人するころに進行が止まる人が多いのですが、その進行する原因は遺伝(東アジア人である。両親が近視である。)と環境(近くを見る。屋外に出ることが少ない。)です。
遺伝のほうは変えることができませんが、環境のほうは努力することができます。20-20-2ルール:20分近くを見たら20秒遠くを見て、一日2時間は外に出て太陽光を浴びる、ということが勧められています。
一度なってしまった近視は治せず、また進行を完全に止める治療法はまだないのですが、進行を遅らせる治療法がいくつかあります。治療はすべて自費診療となります。そのため施設により金額は異なります。(2026年6月よりリジュセアの治療のみ、部分的に保険診療が可能な選定療養となります。)
なぜ効果があるのかは諸説あります。0.025%アトロピンがリジュセアミニとして売られています(当院では1箱30本1カ月分を4380円で販売)。輸入されているアトロピン点眼(マイオピン)には0.01%と0.025%があり、こちらを使用している眼科もあります。
2年間リジュセアで治療した場合の近視進行は-1.01D、未治療群は-1.64Dというデータが報告されています。Dはディオプターという度数を表す単位であり、この数値が大きいほど近視が進行しています。
副作用は、まぶしさと近くが見えにくくなることです。また、点眼を急にやめてしまうと近視進行がより進んでしまうリバウンドがあるため、近視進行がゆっくりとなる16歳くらいまで使うことがすすめられています。
以下の治療法は当院では行なっていませんが、ご紹介しておきます。
夜寝ている間にハードコンタクトレンズをつけて、日中は裸眼ですごす近視矯正方法です。レンズ使用をやめればもとの近視に戻りますが、使い続けると近視進行の抑制効果が報告されています。アトロピン点眼も同時に行うと効果的、という報告もあります。
目の中のピントが合う部分に合わせて眼球が伸びる、また近くを見ることで近視は進行すると考えられていますが、オルソケラトロジーレンズはこの二つの現象を減らすことで近視進行を抑制すると考えられています。
一番心配な副作用は感染症です。汚いレンズやケースを使うことで、細菌やカビ、アメーバなどに感染すると、重症な場合失明することもあります。保護者の方のきちんとしたレンズ管理が必要となります。コンタクトレンズトラブルを熟知している眼科専門医での処方をおすすめします。
日中に使用する使い捨てレンズ(元々は老眼用)にもオルソケラトロジーと同様の治療効果があるとされています。MiSight(マイサイト)ワンデー、シードワンデーピュアEDOFが使われます。
通常使用することで近視進行を抑制できるメガネ用レンズがいくつか報告されています。MIYO SMART(ミヨスマート)、Essilor Stellest (エシロール ステレスト、こちらは日本では未発売)というレンズがあります。
赤い光を眼にあてることで近視進行が抑制できるという報告があります。偶然に発見された効果なのですが、血流が増えることで酸素供給が増加するためと考えられています。1回3分、1日2回、週に5回行います。アトロピン治療と同時には行えません。
太陽光の中の紫色の光が近視進行抑制に効果があるとされて、この光を通すレンズ(通常のメガネレンズは紫色の光を通しません。)や、光を浴びるように作られたメガネが使われはじめています。
クチナシ由来のクロセチンは、近視進行を抑える遺伝子EGR-1に働くとされています。ロートクリアビジョンジュニアEXが市販されています。1日1粒、30粒が3000円前後で売られています。